
4月29日の「news every.」(ニュース エブリ)で、
「強迫性障害」を特集していました。
「強迫性障害」は以前は「強迫神経症」と呼ばれていましたよね。
何度も何度も手を洗わずにいられない(洗浄強迫)・・・などが、よくある症状です。
手を洗うのは、一般的には衛生的な行為ですが、度が過ぎれば人から見ても異常な行為になりますよね。
OCDと言われる「強迫性障害」は不合理な行為や思考を自分では無意味だと分かっていても反復してしまう神経症の1つです。
脅迫ではなく“強迫”です。
番組では、色々な強迫観念に囚われた患者さんの苦悩を描いていましたが、「自分もこういうところあるなぁ」と思い当たる方も意外に多かったのではないかと思います。
「エブリ」ではある数字(自分にとって不吉あ数字、4とか)に対する恐怖(数唱強迫)や、不潔恐怖の方(人が触れたかもしれない物を洗わずにいられない)を取り上げていましたが、ガスや鍵を何度も何度も確認しないと気がすまない・・・程度の人は結構いると思います。
友人もそういう所があると言ってましたが、これも“強迫行為”の中の“確認行為”に当たるそうですから、治療を要するほどでなくても、強迫性障害の予備軍は沢山いそうです。
「エブリ」では、抗うつ剤よる薬物療法や行動療法で患者さん達はかなり改善しているようでしたが、「強迫性障害」の患者の割合は年々伸びているそうです。
行動療法については「エブリ」では患者さんの苦手とするもの、地べたや患者さんが汚いと思うものにに敢えて触れて、その後も手洗いなどをしないで過ごしていました。それによって、「手を洗わなくても何も問題は起こらない」という頭では分かっていてもどうしても手を洗ってしまうような行為を一時的にでも矯正し、パニックにならないで平静でいられるようになっていく・・・というようなものでした。
以前、親戚の友人に、重度の「強迫性障害」の女性がいました。彼女の場合は“不潔恐怖”だったと思います。
人が聞いたら笑いそうな話も沢山ありました。例えば
・高校時代に下に落ちた教科書は洗わなくては気がすまず、教科書が電話帳くらいの厚さになっていた
・新品のバッグを持って出たら、電車の中で、鼻をほじるオヤジの鼻くそがバッグに飛んで付いたので、中身を出してゴミ箱に捨てた(これは何度もあったそうです)
・職場のトイレにある液体手洗い洗剤を1日で全部使い切って、掃除のおばさんに怒られた
・家では食器用洗剤を1日で丸一本使い切る
などだったと思います。
彼女は結婚して子供を生んだんですが、子どもを生んだ後でも強迫行為が治らずに、子供とお風呂に入っていて、体を洗っていて湯船にいる赤ちゃんが泣き出しても体を洗う行為を止められず?赤ちゃんが溺れそうになったこともあったそうです。
また、ご主人が疲れて帰ってきても「どこを触った?」など、執拗に聞いて自分が納得するまで問い詰めたりもしたと。
さすがに、本人もこれではいけないと思って色々調べて、「森田療法」というのをやってみることにしたそうです。
「エブリ」で紹介していた行動療法とは又違うけれど、昔から行動療法として有名なところです。
で、1ヶ月間の合宿生活みたいなものだったらしいですが、そこでは色々な人がいたそうです。
白い液体(牛乳・カルピスなど)を見るだけでダメな男性。毎日、何度も着替えている女性etc・・・。白い液体がダメなのは精液をイメージしてしまうかららしいです。
他にも色々な人の話を聞いたのですが、だいぶ前の話なので、忘れてしまいました。でも、1つ重要なことを言ってました。
それは、「強迫性障害」と思っていたら「統合失調症」だった人がいたという話でした。
「統合失調症」の初期には「強迫性障害」の症状が現れることがあるというのは、あまり知られていませんが、「Dr林のこころと脳の相談室」に色々な症例をあげて、詳しく書いてあります。
で、その親戚の友人ですが、「森田療法」という行動療法で治療後しばらくはだいぶ良くなったそうだけど、やっぱりだんだん元に戻ってしまい、結局離婚して子どもさんも取られてしまったそうです。やっぱり薬物療法にしても行動療法にしても続けなくては意味がないということなんだと思いました。彼女は実家に戻って働いていましたが、今はどうしているのか分かりません。とても元気で明るい方で、とても神経質な感じには見えなかったです。というのも、意外にも落とした本は洗わないと気がすまないけれど、落とした食べ物を食べるのはOKだって言ってましたから(笑)。
矛盾していると分かっていても、どうしてもその考えや行動を止められないのが、「強迫性障害」ですし、そうではなくても、気になることというのは人によって違いますしね。
また、俗にいう「ゴミ屋敷」に暮らしているような人の中にもこの強迫性障害の人がいるのだそうです。”保存強迫”と言って、自分が大切な物を誤って捨ててしまうのではないかという恐怖から、不要な物まで家に貯めこんでしまうそうです。本人は不要なものだとわかっている場合が多いので、自分の行動の矛盾に思い悩む人もいるそうです。
”不潔恐怖・洗浄強迫”、”確認行為”などの他にも、ゴミ屋敷となる危険がある”保存強迫”もあるし、”加害恐怖”、”被害恐怖” ”自殺恐怖” ”疾病恐怖” ”縁起恐怖” ”不完全恐怖”など、誰もが少しは思い当たることがあるものもあるように思います。
スポンサードリンク
この記事へのコメントはありません。